北原進 栓拭漆飾棚 油注花入 |
子供の頃、夏休みは毎朝
こども会のラジオ体操が1日の始まりでした。
朝顔にお水をあげて、
朝だけのひんやりとした空気のなかを歩く
広場へと続く川沿いの小道。
セミの鳴き声。
夏になると、いつになく
ふるさとが恋しくなります。
わたしの実家では、お盆には毎年
迎え火を焚いてご先祖様をお迎えし、
集まった家族や親戚とともに過ごすのが習わしです。
精霊棚を整えて、お墓参りから帰って迎え火を焚くと、
なんだか一気に賑やかになったような気がして
不思議な安心感に包まれます。
時とともに周囲の景色は移り変わっても、
心のアルバムをそっとめくってみると
決して変わらない心の原風景がそこにはあります。
一緒に過ごした人たちからもらった
ぬくもりのなかにこそ
心の原点はあるのかもしれませんね。